2021 年 68 巻 2 号 p. 2_35-2_42
本研究は,病院で広報や行事の企画運営に従事するデザイン技能を有した事務職員である院内デザイナーの配置に対する経営者評価について,利用者サービス向上に向けた業務支援の視点からみた有用性と課題を明らかにすることを目的とした.医療機関経営者を対象とした半構造化インタビューを実施し,M-GTA(修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチ)を用いて分析した結果,1)広報が充実し医療機関の特色が明確化すること,2)情報共有と業務の効率化につながること,3)内製物の質向上と継続的な維持管理に貢献すること,4)利用者に寄り添ったサービス提供ができることが,有用性として認められた.これに対し,1)人材育成の環境が整っていないこと,2)人材配置に関わる費用対効果の検証が難しいこと,3)その職域自体が未だ確立されていないことが課題として指摘された.