デザイン学研究
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高齢者を対象とした生活時間記録ツールの有用性に関する研究
─ QOL 向上を目的としたサービスデザインの創出に向けて(2)
佐藤 亮介田村 良一
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2022 年 69 巻 1 号 p. 1_45-1_52

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抄録

 本研究では生活習慣の改善の手法として生活時間記録に着目し,特に高齢者をターゲットとした生活時間記録ツールについて検討した。まず,国内外で政府や企業が実施している生活時間調査の事例を調査し,記録項目と記録方式を明らかにした。続いて,個人の健康管理向けの生活時間記録アプリからそれぞれが持つ機能を抽出した。さらに,実際に高齢者が生活上で気にしていることや日常で記録しているものをインタビュー調査し,高齢者向けの媒体や記録項目を明らかにした。以上の調査から要件を決定し,高齢者向けの生活時間記録ツールを試作した。それを高齢者に実際に使用してもらい,使用の前後で実施したアンケートから生活習慣への意識の変化を評価した。その結果,半数の高齢者に対して有意な向上がみられ,本ツールが高齢者における生活習慣の改善策の一つになり得ることが示唆された。

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© 2022 日本デザイン学会
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