デザイン学研究
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デザイン行為に対する自己効力感の向上プロセスに関する試行的研究
ー他者と共に行うリフレクションがデザイン非従事者の課題特異的自己効力感に与える影響の検討
岡本 陸稲坂 晃義宮崎 愛弓長尾 徹
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2023 年 69 巻 4 号 p. 4_19-4_28

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抄録

 近年,デザイン非従事者がデザインのプロセスに参加するような考え方や活動が注目されてきているが,多くの人々がデザイン行為に対する自己効力感に課題を抱えていると考える。本研究の目的は,デザイン非従事者に,共創という状況の中でDual Focus の考え方を援用したリフレクションを行わせることが,デザイン行為に対する自己効力感にどのような影響を与えるのかを明らかにすることである。デザインを専門的に学んでいない大学生に対して,デザイン行為を伴うグループワークを実施させた後,Dual Focus を用いてリフレクションをした群(他者視点を介入させる群)と,用いずにリフレクションをした群(他者視点を介入させない群)の2つに分け,それぞれの効果を分析した。その結果,グループワーク実施後にDualFocus を援用したリフクションを行った群は,自己に対してより詳細に振り返る傾向が確認され,さらにデザイン行為に対する自己効力感の一部分が有意に向上していることが分かった。

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© 2023 日本デザイン学会
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