本研究では,日本に生息しているキノコの菌種を用いた菌糸体レザーを作製し,それらの質感の印象を天然皮革や植物繊維と比較することを試みた。まず日本で入手できる菌種10 種類の培養実験を行い,菌糸体レザーを作製するのに適した菌種を選定した。ついで選定した菌種を培養し,加工を施して菌糸体レザーを作製した。そして作製した菌糸体レザーと市販の天然皮革や植物繊維を対象とした質感の印象評価実験を実施した。得られた結果に因子分析とクラスター分析を適用することにより,作製した菌糸体レザーの質感の印象を明らかにした。得られた結論は以下のように要約できる。1)アミガサタケから作製したレザーは羊革や鹿革に似た質感を有している,2)ヒラタケやブクリョウから作製したレザーの質感は豚革や綿生地と似ている,3)レイシやタモギタケから作製したレザーは麻生地と似た質感を有している。