抄録
本稿は、身体障害者補助犬の社会受容にむけた効果的な方法を探るため、動物看護学生を対象に行った補助犬関連体験や補助犬に対する意識に関する調査の結果をまとめたものである。身体障害者補助犬の社会受容拡大を目指して、従来、使用者による講演・授業など様々な身体障害者補助犬関連体験の機会が設けられてきた。身体障害者補助犬法施行時に小・中学生であった学生は、法施行以降、授業科目の一つである総合的な学習の時間やその他学事などを通じて、様々な補助犬関連体験をしてきたことが考えられる。そこで、補助犬法施行以降に小・中・高等学校に通った学生の中でも、伴侶動物に関する知識を有し、動物への関心が相対的に高いと思われる動物看護師を目指す学生を対象に、補助犬関連体験の程度や、補助犬に対する意識について調査を行った。その結果、補助犬との遭遇機会の増加や、補助犬の訓練や選抜の厳しさおよび安全性や必要性などのさらなる強調が望ましいこと等が示唆された。