抄録
ブラッシング時にイヌの被毛に水分噴霧する効果の基礎知見を得る目的で、走査型電子顕微鏡を使用して被毛付着物除去効果を観察するとともに、ブラッシングによる脱毛量についても検討した。
ラブラドール・レトリーバー( 2頭)からブラッシング実施前の被毛、ラバーブラシを使用してブラッシングした区分に生え残る被毛、同ブラシを使用し水分噴霧した後ブラッシングした区分に生え残る被毛を各イヌから採取し、被毛付着物残留の程度を走査型電子顕微鏡で観察した。さらにラブラドール・レトリーバー( 4 頭)を用いて各イヌの尾を左右に分け、左側を水分噴霧なし、右側を水分噴霧ありの状態でブラッシングを実施し、ブラッシングにより除去された被毛を左右分けて採取した。その結果,ブラッシング時に水分噴霧することにより被毛付着物除去効果の向上、ブラシッシングにより除去される被毛量の増加が認められた。イヌ被毛に水分噴霧することでブラッシング効果を高めることが確認された。