日本補助犬科学研究
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原著論文
パピーウォーカー経験の有無による生後1年間の問題行動出現の違いについて
水越 美奈中村 有香細井 淳子及川 友恵関口 歩中村 透
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2010 年 4 巻 1 号 p. 17-21

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抄録
パピーウォーキング中の問題行動の出現について、生後3 カ月から12 カ月齢の間で、それ以前のパピーウォーカー経験の有無で比較を行った。質問は2005 年3 月1 日から2008 年7 月16 日生まれのラブラドール・レトリーバーをパピーウォーキングした193家庭に対して、毎月6つの問題行動(排泄の失敗、甘咬み、破壊行動、散歩時のリードの引っ張り、人への飛びつき、無駄吠え)の有無を2 者選択で行った。「排泄の失敗」と「甘咬み」では3 カ月齢時のみで有意差( P< 0 . 05 )が、「破壊行動」、「散歩時の引っ張り」、「人への飛びつき」では飼育初期から中期で有意差( p< 0 . 05 )が見られたが、「無駄吠え」では全期間にわたって有意差は認められなかった。またいずれの項目でも10 カ月齢以上では有意差は見られなかった。このことから過去の飼育経験は特に飼育初期に効果を発揮することがわかった。またいずれの項目においても月齢による出現傾向や推移はPW 経験者と未経験者で同様であったことから、各項目に対するアドバイスにはそれぞれ適切な時期があることが示唆された。
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© 2010 日本身体障害者補助犬学会
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