日本補助犬科学研究
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原著論文
引退盲導犬飼育ボランティア活動の促進とサポートを考える
─飼育ボランティア体験の質的分析から─
小倉 啓子角田 祐子吉川 明
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2010 年 4 巻 1 号 p. 22-30

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抄録
引退盲導犬飼育ボランティア活動の促進とサポートのための視点を得るために、5名の引退犬飼育ボランティアにボランティアの動機や引退犬との生活経験についてインタビューした。修正版グラウンデット・セオリー・アプローチ( Modified Grounded Theory Approach )による質的分析の結果、引退犬飼育過程でボランティアは<ボランティア開始へのステップ>、<引退犬の立場で考えた生活>、<盲導犬特性の発見>、<ボランティア活動の意味の広がり>、<病と老い、死の過程に寄り添う>という5つのカテゴリーにまとめられる体験をしていた。活動の促進とサポートとして、一般の人々が盲導犬や引退犬に触れる機会を多く提供すること、引退犬飼育は介護や看取りだけではない充実感や親密感があることを知らせること、ボランティアが訓練センターなどとの社会的連携のなかで安心して飼育出来るように相談窓口設置をすることなどが示唆された。
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© 2010 日本身体障害者補助犬学会
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