抄録
背景：医療機関は、医療を適切に提供するために補助犬に円滑に対応することが求められる。そこで、病院における補助犬の受け入れ状況を調査して、問題点と対策について検討した。
方法：2008 年8～9 月に、兵庫県内の166病院の看護部長を対象に、補助犬に関するアンケート調査を郵送で実施した。
結果：回収率は65 . 1 ％（ 108 施設）であった。補助犬の来院が確認できたのは18 . 5 %（ 20 施設）であった。3施設で来院時に困惑を感じており、その理由として全ての施設が衛生管理を挙げた。来院のあった5 施設で職員への啓発が行われていたが、対応マニュアルを作成していたのは1 施設のみであった。全体の72 . 2 %（ 78 施設）が受け入れに対する不安を抱えていた。
考察：積極的な対策が実施されていないことが、補助犬受け入れに対する不安の原因のひとつであると考えられた。
結論：医療機関は補助犬の来院に備えて、職員への啓発や対応マニュアルの作成などの対策を実施すべきである。
