本研究では,「誤りからの学習」に着目し,この学習を促進する上で重要な役割を果たす誤りへの気づきを促進する手段としての,「誤りの可視化」について論じる.ここでの誤りの可視化とは,学習者の誤答が仮に正しいとして場合,どのようなおかしな現象が起きてしまうかを推論し,学習者にとってそのおかしさに気づきやすい表現上において提示することを指しており,誤りに対する肯定的フィードバックの一つと位置づけることができる,本論文では,主に, Error-Based Simulation (EBS)による誤りの可視化の枠組みについて述べる.