日本科学教育学会年会論文集
Online ISSN : 2433-2925
Print ISSN : 2186-3628
ISSN-L : 0913-4476
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表紙・目次
論文集
  • 寺野 隆雄
    セッションID: 1
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/11/27
    会議録・要旨集 フリー

    第3次人工知能(AI)ブームが継続している.科学教育の側面からも,その利用や学習について真剣に 議論する必要性が高くなっている.本稿では,AI のとらえにくい性質がなぜ出てくるのかを考察するとともに, with コロナ時代において,AIを使いこなし,また学習・教授するための方法について議論する.

  • 加納 圭
    セッションID: 1
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/11/27
    会議録・要旨集 フリー

    世界各国でSTEM 教育に注目が集まっており,日本でもSTEM 教育推進の動きが出てきた.STEM 教 育プログラムにおいて,現状では科学・技術への関心の低い層の包摂に課題が見られる.科学・技術への関心の 低い層の属性的特徴として女性等があげられており,STEM 教育におけるジェンダーや経済的・文化的マイノリ ティといった観点での包摂は重要な課題の 1 つといえる.STEM リテラシーの評価については,STEM リテラ シーが基盤的なリテラシーの上に成り立ち,かつ教科横断であるという視座に立つ必要があるだろう.

  • 大谷 忠
    セッションID: 1
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/11/27
    会議録・要旨集 フリー

    最近の科学教育における世界的な動向に関して,Science(S),Technology(T),Engineering(E),Mathematics(M)を統合的に扱うSTEM教育の推進などが注目されており,さらには,STEM教育にAを加え,人文・芸術系の教育との融合を図ったSTEAM教育の動きについても活発化してくるようになった。本シンポジウムでは,このようなSTEM・STEAM教育を取り巻く現状を踏まえ,諸外国におけるSTEM・STEAM教育の取り扱いや導入の現状等について確認し,国内におけるSTEM・STEAM 教育の現状や学校教育における資質・能力育成との関わり等について議論する。また,STEM・STEAMに関わる日本の教育の歴史を振り返るとともに,学校教育の基盤となる教員養成教育について振り返る活動を通して,日本型STEM・STEAM 教育の在り方について議論していくことを目的とする。

  • 新井 健一
    セッションID: 1
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/11/27
    会議録・要旨集 フリー

    米国でSTEM 教育が始まってから約20 年が経ち、現在では多くの国々でSTEM教育が実践されている。この間、Art/Design またはLiberal arts を意味するAを加えた STEAM、さらにRobotics を加えたSTREAM、環境(Environment)に焦点をあてたE-STEM など、それぞれに特徴をもったSTEM 教育が生まれ、様々な実践が行われている。STEM 教育の実践を支える情報は、インターネットでSTEM RESOURCES やSTEAM RESOURCESを検索することで得ることができる。こうした情報は基本的に英語であるため、英語圏の国々での実践には有効である。米国をはじめ多くの国々がSTEM 教育に取り組んでいる背景には、AI(人工知能)技術をはじめとする先進技術による社会構造の変化があり、変化に対応できる人材の育成が喫緊の課題となっている。

  • 松原 憲治
    セッションID: 1
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/11/27
    会議録・要旨集 フリー

    我が国における資質・能力の育成を重視する教科等横断的な学びとしてのSTEM/STEAM 教育の意義や課題について,目的,学習過程,設定する課題の観点から考察した.まず,その前提として資質・能力の育成と教科等横断的な学びの関係を整理・確認することから始め,STEM/STEAM 教育について諸外国での動向を概観し,我が国における資質・能力の育成を重視する教科等横断的な学びとしてSTEM/STEAM 教育の意義や課題を論じた.

  • 磯﨑 哲夫
    セッションID: 1
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/11/27
    会議録・要旨集 フリー

    本研究は,STEM 教育の起源と世界の動向に加え,STEM 教育に関する日本の教科教育の歴史を省察した。その結果,①STEM の目的・目標の設定,②STEM 系教師の協働,③STEM 系教科の存在意義と価値,④STEM の学びの意味の理解,がSTEM 教育を構築し推進する重要な要素として抽出し,歴史的遺産を現代的に省察し,世界のSTEM 教育の動向をわが国の文脈おいて考え,日本型STEM 教育の構築とその展開をしていく必要があることを指摘した。

  • 岸本 忠之
    セッションID: 1
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/11/27
    会議録・要旨集 フリー

    本稿の目的は,小数の乗法の文章題における演算決定に関する様相モデルを明らかにすることである.演算決定に関する様相モデルとして,「様相1.比例関係の理解」「様相2.演算決定の根拠」「様相3.乗法の知識の組織化」の3つの様相を設定し,その段階における観点も示した.この様相に対して,児童が90×0.6となる文章題に関して行った演算決定の記述を例示した.その結果,除法を選んだ児童と乗法を選んだ児童において学習課題が異なること,また除法を選んだ児童は演算が誤りであることが意識されるため,演算決定の根拠や乗法の意味について理解が図られることが挙げられる.

  • 渡会 陽平
    セッションID: 1
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/11/27
    会議録・要旨集 フリー

    本稿の目的は,小学校算数科において比例の式の乗法の意味づけを視野に入れた体系的な乗法の意味指導を行う必要性について言及することである.そのために,小学校第6学年の児童を対象として行った授業実践の結果をもとに,乗法の意味の拡張の指導を受けた子どもに生じうる比例の式の学習場面における問題点について考察をした.その結果,従来のように「対応」の関係の乗法を数値の関係として済ませてしまう指導では,乗法の意味にこだわりを持つ児童は納得することができないことと,児童が「対応」の関係の乗法を量を考慮して意味づけようとしても,その乗法の操作を適切に言葉で表現して意味づけることは困難であるし,場合によっては数学的に適切ではない意味づけをしてしまうことの2点を問題点として指摘し,それを解消するためには「対応」の関係の乗法に関わる要素を明らかにして,それらを体系的に配置して段階的に指導する必要があることを述べた.

  • 小原 豊
    セッションID: 1
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/11/27
    会議録・要旨集 フリー

    本稿では,乗法概念に関わる我が国の学習内容に現時点で含まれていない連比の小学校算数での教材化について数学的背景と教育的視野から若干の再考を行うことでその意義と課題を提出した.連比の教材化を今日的に見直す意義として,按分という実務的手法の公教育での対象化,データの分布を端的に示す表記提供,また課題としては連比の意味づけと相等性の担保,という各2点を指摘した.

  • 礒田 正美
    セッションID: 1
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/11/27
    会議録・要旨集 フリー

    授業研究の世界展開過程で、日本型の考えることの教育を実現する系統的な教科書が各国政府より求められるようになった。各国への教科書翻案では、目標・系統を説明するターミノロジーの国際共有化研究が求められる。本稿では、Isoda, M., Olfos,R. (to appear)を前提に、かけ算の指導内容を特定するターミノロジーとその国際的共有の必要を示す目的から、各国が乗数、被乗数の扱いに関わって直面する矛盾、その解消法、その教育対象化への国際的な営みを例示し、各国と協同展開する数学教育学術用語の国際的研究開発動向を示した。

  • 風間 寛司
    セッションID: 1
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/11/27
    会議録・要旨集 フリー

    2018年度に、福井CST(地域の核となる理科教員)養成・支援事業を援用した福井大学版「地域の核となる算数・数学教員(Core Mathematics Teacher:以下CMT)」養成プログラム(プロトタイプ版)を初級コースと中級コースで作成した.2019年度の5月に学部 2・3年生の初級コースモニターを募集してから2020年度6月までの約1年間の運用の成果と課題を示す.成果は,本県の地域資源を生かした実践的な内容を組み込んだCMT養成プログラムはモニターのモチベーションを高めること,また,学部2年生から受講すれば,卒業時までに修了可能であることが明らかになった.なおコロナ禍において,オンライン学会への参加が容易となり,ICTを活用した学修も促進された.課題は,プログラム科目の提供数が少ないことに起因する学生の受講困難さがあること,養成プログラムの検証はモニターが教職に就いた数年後までのスパンで行わなければならないことである.

  • 伊禮 三之, 長浜 朝子
    セッションID: 1
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/11/27
    会議録・要旨集 フリー

    沖縄県の教育課題に「学力格差」の問題があり,その解決には教師の授業力の向上が必要であり,とりわけ算数・数学教育の改善が求められている.地域の核となる算数・数学教員(CMT)の養成は課題解決の一翼となろう.本稿では,上級CMT養成プログラム策定のための2年間の試行を報告する.上級モニターの実践から,①子どものつまずきを想定した授業づくりは,つまずきの解消や概念理解の深化が図られ単元の深い理解に繋がり,②大学教員との単元開発の協働作業が,教師自身の教科内容に対する本質的理解が深ったこと,が明らかになった.

  • 小倉 康
    セッションID: 1
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/11/27
    会議録・要旨集 フリー

    学校と地域の理科教育の改善を目指して,中核的理科教員を中心に所属校と教育委員会及び地域の国立大学が関与したシステミックリフォームとして児童生徒の理科への学習意欲の向上に取り組んだ.埼玉県内の12の公立小中学校において平成28年度から地域の実態に合った取り組みを進めた結果,児童生徒の理科への学習意欲(科学的リテラシーに関する意識)に明確な改善の傾向が確認されるとともに,平成30年度全国学力・学習状況調査における学校の理科平均得点についても,前回調査と比べて水準が向上する傾向が確認され,また中学生の理科への学習意欲の変化が理科学力の変化に関係したことが明らかとなった.各学校で実施された取り組みから見出されたシステミックリフォームのパターンを報告する.

  • 蒲生 啓司, 楠目 安由, 楠瀬 弘哲
    セッションID: 1
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/11/27
    会議録・要旨集 フリー

    高知大学大学院に設置された教職実践高度化専攻(教職大学院)では,平成30年度の開設と同時に,現職教員の上級CST養成プログラムを開始し,履修科目として,「理科学習指導法の理論と実践」,「理科教材研究・開発の理論と実践」,「理科教育マネジメントの理論と実践」の3科目を開講した。学部卒院生については初級CSTの養成を行った。本研究では,教職大学院における理科実践教育の高度化を図ることを目的として,カリキュラムマネジメントに基づく教職大学院の専門科目とCST養成プログラムとの接続により,理科問題解決学習の実践における理論と実践の融合を具体化するためのカリキュラム開発を行った。教職大学院の専門教科の履修を通してCSTを養成してきた取組みとその成果は,CSTプログラムを受講した教職大学院生による実践報告及びアンケート結果に基づく評価及び検証からわかるように,理科実践教育の高度化と共に地域の科学系人材創出のための理科教員の育成と理科教育研修システムの開発に寄与するものである。

  • 津野 宏
    セッションID: 1
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/11/27
    会議録・要旨集 フリー

    平成21年度に科学技術振興機構の支援事業としてスタートし,全国16地域で取り組まれてきた地域の核となる理科教員であるコア・サイエンス・ティーチャー(CST)の養成事業において,認定されたCSTの活動支援の方策が常に議論されてきた.その中で,神奈川県においては,認定されたCSTを中心に自主的に活動を行う「神奈川CST協会」を設立し,大学教員と連携しながら活動継続の支援を行ってきた.自発的な活動を通して,専門職としての教員としての意識向上,CSTのあり方の検討が進んできた.自らのあり方を自ら顕彰するCST協会が地域間で連携し,議論することにより,CSTプログラムの共通化の可能性を見いだすことができる.

  • 淺原 雅浩, 西沢 徹, 大山 利夫
    セッションID: 1
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/11/27
    会議録・要旨集 フリー

    昨年度の課題研究において,CST(コア・サイエンス・ティーチャーの略称:地域の核となる理科教員)の養成プログラムを比較検討し,いくつかの共通項を見出した.この共通項の汎用性について,他のCST養成の取り組みを中心に,各大学のホームページより読み取れる養成プログラム内容から検討を行った.更に,CST養成プログラム自体は,各地域の理科教育の状況を踏まえて作成されたものであり,地域に密着した優れた取り組みであることから,プログラム自体を完全統一する形でのCST資格の共通化を目指すのではなく,ここで見出した共通項を含む「養成プログラムをパッケージとして認定することで,認定されたCST養成プログラムの修了=共通資格としてのCSTの実現を目指すシステム研究を進めることとした.

  • 山崎 貞登
    セッションID: 1
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/11/27
    会議録・要旨集 フリー

    Society5.0の実現を目指し,我が国発の初等から高等教育を一貫したSTEAM教育の体系化に向けて,「エンジニアリング」と「デザインプロセス」をSTEAM各学術分野の連携鍵概念として,小学校段階で「プラクティス(見方・考え方を働かせた実践活動)」,「モデリング」,「アーギュメント」を重視したコンピューティング教科を設置する優位性を論じると共に,米国のK-12学年を一貫したAIリテラシーの重大な観念(ビッグアイディア)と各教育段階の到達目標についての先行研究を検討した.

  • 松田 孝
    セッションID: 1
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/11/27
    会議録・要旨集 フリー

    「人間中心のAI社会原則」が,統合イノベーション戦略推進会議で決定(H31.3.29)された.AI技術でSociety5.0の実現を目指し,地球規模のSDGsへの貢献も果たしていくために「AI-Readyな社会」への変革を推進する必要があると述べ,AI技術自体の研究開発と「あらゆる面で社会をリデザインし,AIを有効かつ安全に利用できる社会を構築すること」の必要性を訴えている.初等中等教育においては「幅広くリテラシー等の教育の機会が提供」され,「AI,数理,データサイエンスの素養を身につけられる教育システム」の確立と従来の一律・一斉授業からの変革を訴える.この4月より小学校ではプログラミング教育が必修となったが,「AI-Readyな社会」の実現には教科再編による「コンピューティング」の創設とそのスコープにおいてAIリテラシーを内包するカリキュラムの作成が必要であり,その実践可能性を報告する.

  • 磯部 征尊
    セッションID: 1
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/11/27
    会議録・要旨集 フリー

    本稿では,小学校コンピューティング科の教育内容と共に,中等教育段階終了時に実施されるGCSE試験のコンピューティング科を対象とし,現地調査結果を含めて検討することを研究目的とした.現地での聞き取り調査からは,「コンピューティング科も含め,各学級担任が全教科を教えていること」,「日本の小学校のようなICT支援員は配置されていないこと」等が分かった.GCSE試験「COMPUTER SCIENCE (8520)」では,学習の目標や内容として「筆記試験1」,「筆記試験2」,プロググラミングプロジェクトが課せられていた.特に,筆記試験1は,計算論的思考(Computational Thinking)と問題解決であった.

  • 人見 久城
    セッションID: 1
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/11/27
    会議録・要旨集 フリー

    日本の理科における「ものづくり活動」は,“ものを製作する”活動を理科学習の中に位置付けたもので,その意義やねらい,学習効果などが検討されてきた.近年,欧米でSTEAM(Science, Technology, Engineering, Art, Mathematics;スティーム)教育が隆盛を示しつつあるが,理科におけるものづくり活動のねらいには,STEAM教育でめざす考え方と通底する部分がある.本稿では,STEAM教育の展開を是とする立場に立ち,それを支える要素のひとつとして,日本の理科におけるものづくり活動の現状を概観し,その充実に寄与すると考えられるエンジニアリングデザインの視点やそれを導入した学習事例にいて分析を試みる.最後に,小学校におけるコンピューティング教育との関連について付言する.

  • 大谷 洋貴
    セッションID: 1
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/11/27
    会議録・要旨集 フリー

    確率や統計の学習指導にとって,シミュレーションは有効な手段である.しかし,それが統計的探究や統計的概念の発達に対してどのように機能するかはあまり明確でない.本稿では,RME理論を用いて,統計的探究におけるシミュレーションの機能を事例的に考察した.統計的探究におけるシミュレーションには,少なくとも,暫定的な仮説の客観的な検証方法として機能と,モデルの役割のシフトを促す機能があることが示唆された.このことは,統計的探究,統計的概念の発達,シミュレーションの3つが密接な関係にあることを意味する.

  • 竹内 光悦
    セッションID: 1
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/11/27
    会議録・要旨集 フリー

    新しい学習指導要領においても統計教育の拡充が行われ,これらの流れは国際的な動きをみても重要と思われる.特に重要なことは実際の社会問題で実際のデータに触れながら,データを適切に処理・分析し,他者に伝える統計的問題解決力の育成である.これらの動きや問題点の解決を目指し,そのような分析の場を提供することを目的として,著者を中心に日本統計学会スポーツ統計分科会等で「スポーツデータ解析コンペティション中等教育部門」を開催している.このコンペティションでは実際のプロスポーツのデータを貸与し,競い合い,評価することで,その生徒の体験的な学びの場の提供を行っている.本報告ではこのコンペティションの背景や詳細等を紹介する.

  • 青山 和裕
    セッションID: 1
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/11/27
    会議録・要旨集 フリー

    平成30年告示の新学習指導要領において,高等学校数学Ⅰ「データの分析」の指導内容として,仮説検定の考え方を指導することとなった。数学Bにおける仮説検定の方法の指導と異なり,正規分布や確率密度などを扱うことのできない数学Ⅰにおいて,どのように仮説検定の考え方を指導するのかが課題である。本稿においては,「データの分析」での推測統計の指導と,中学校3年の標本・母集団の指導においてシミュレーションを用いた指導を提案するものである。中学校3年と高等学校数学Ⅰで共通する指導アプローチを用いることで,中高の接続にも寄与できるものと思われる。

  • 西仲 則博, 吉川 厚, 高橋 聡
    セッションID: 1
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/11/27
    会議録・要旨集 フリー

    本研究の目的は,小学校のデータ活用領域における,教師からの課題提示についての特徴を明らかにするところにある.研究対象としたのは,算数の研修において,協働的な問題解決型マンガ教師用教材を用いた時のワークシートの結果である.ワークシートは,マンガ教材に掲載している若手教師が行った課題提示に対して,生徒が反応した場面にフォーカスし.そのような行動が起こった原因と自分なりの解決法を聞いた.その結果,知識活用や生徒の活動を誘導する指導についての評価が多く,知識活用や生徒の活動を誘導することで,1つの解答に導こうとする傾向が強く,児童の円滑な問題解決に重きを置いている傾向があることを得た.

  • 小口 祐一
    セッションID: 1
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/11/27
    会議録・要旨集 フリー

    本稿は,データサイエンスのコンテンツ開発を効果的に行うための指標を設定することを目的とした.データサイエンスとは「ビッグデータに限らず,あらゆる種類のデータを処理・分析して,そこから有用な情報(価値)を引き出すための学問分野」である.方法は,まず,ビッグデータを中心としたデータ収集の方法を一方の軸にとる.ビッグデータとは「情報通信技術や計測技術の発展により得られる大量かつ多様なデータ」である.次に,データの特徴をとらえるために図で視覚化したり,数値で表現したりするような,データ分析の手法をもう一方の軸にとり,仮設的に,データサイエンスのコンテンツ開発の集計表を設定する.そして,既に公表されているデータサイエンスのコンテンツを,その集計表に組み込むことにする.その集計表で空白のセルに該当する内容を特定することにより,今後のコンテンツ開発を効果的に行うための指標とする.

  • 塩瀬 隆之, 後藤 崇志, 加納 圭
    セッションID: 1
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/11/27
    会議録・要旨集 フリー

    本研究では、インクルーシブSTEM教育のための評価ならびに学習プログラム開発を目指している。これまでの研究において、教科横断的な視点から理科力の評価分析を行い、該当する問題によっては理科の学習過程に国語や算数など異なる教科の問題を出題する複合的な学習プログラムの開発を行った。この経験から、科学リテラシーの学習過程においても、それ以前に読解リテラシーや機能的リテラシーなど、多段階での学習評価の観点からSTEM教育への包括性を検討する必要がある。

  • 水町 衣里, 八木 絵香
    セッションID: 1
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/11/27
    会議録・要旨集 フリー

    科学技術に関する倫理的・法的・社会的課題(ELSI: Ethical, Legal and Social Issues)について,対話を通して学ぶための教材「対話ツール」を開発してきた.このツールは,テーマとなっている科学技術に関しての特別な専門知識がなくともELSIに関わる議論を始めることができるような構成になっている.また,社会課題を自分ごととして捉え,対話を通じて様々な価値観や判断が存在しうることを理解できるようになることを目指して開発した.本稿では,「対話ツール」の開発過程を紹介しつつ,STEM教育の実践への可能性について述べる.

  • 後藤 崇志, 加納 圭, 塩瀬 隆之
    セッションID: 1
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/11/27
    会議録・要旨集 フリー

    全国学力・学習状況調査における小学校「理科」調査はPISAと同様に「科学の知識」や「科学についての知識」を測定しているのかを検討すべく,高校生に小学校「理科」調査の問題とPISAの問題の一部を解いてもらった.その結果,加納・後藤・塩瀬 (2020)において理科の学力を強く反映していると示唆された3問([2]-(2), [3]-(2), [3]-(3))については,PISAの問題と同様の能力を測定している可能性が示唆された.一方で,理科の学力だけでなく国語の学力も反映していると示唆された1問([1]-(2))については,PISAの問題と同様の能力を測定していることを示唆する結果は得られなかった.

  • 長沼 祥太郎
    セッションID: 1
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/11/27
    会議録・要旨集 フリー

    本研究では,独自に開発した「新型コロナ問題」を題材に,インクルーシブなSTEMテストの開発に関して示唆を得ることを目的とした.この目的のため,様々な分野の専門家4名で問題を検討した.また,大学生・大学院生計20名に問題を解いてもらい,感想を事後アンケートで尋ねた.専門家による議論の結果,「色弱者への対応」「没入感の向上の工夫」が指摘された.また,大学生・大学院生を対象とした調査の結果,作成した課題は「取り組みやすさ」「思考力を問う」「知的な面白さ」の観点で性別,学年,専門分野において多様な協力者から高い評価を得た.こうした高い評価の理由として,「身近なトピック」「アニメーションの利用」「前提の批判的検討」「回答しやすさ」が自由記述から読み取られた.一方,「知識を問う問題の位置付け」「専門用語の扱い」に関しては,検討の余地があることも示唆された.

  • 竹内 慎一, 吉澤 樹理
    セッションID: 1
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/11/27
    会議録・要旨集 フリー

    理科教育番組とインタラクティブなWebコンテンツを組み合わせ,問いの生成を目的とした子ども向けの科学教育ワークショップを開発し,実施した.小型の昆虫の姿を大きく拡大し全方位から観察できるWebコンテンツを組み合わせることで,低年齢層を含む,より幅広い年齢の子どもの参加が可能になり,問いの生成を促すことができた.

  • 小原 美枝, 小方 祥載, 安藤 秀俊
    セッションID: 1
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/11/27
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    本研究は,新学習指導要領で新たに設置され る「理数探究 基礎」と「理数探究」の学習内容に着目し,2時間程度の理数探究学習の指導案を作成して実践したものである.学習内容は生徒にとって身近な石けん水を題材とし,実験を通して 表面張力や石けん水の構造について学び,洗剤で衣類の汚れが落ちる理由を考察するものとした.実践の結果,理数探究学習は数学や理科に対する興味関心を高めることが示唆され,学習活動に探究学習を取り入れることの有効性が示された.

  • 高須 雄一
    セッションID: 1
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/11/27
    会議録・要旨集 フリー

    大学初年次の学生の学力偏差を調べるために,異なる2つの学科の1年生に対して「理数アンケート」を実施した.集計結果(特に科目間の相関データ)からは,その科目の理解度はその科目の学習状況に依存するという当然の結果を得た.一方,設問の回答状況からは,2つの対象群には大きな学力差があるにも関わらず,「共通の不得手な設問」があることが分かった.

  • 高阪 将人, 渡邊 耕二
    セッションID: 1
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/11/27
    会議録・要旨集 フリー

    本研究では,PISA2012 の公開データを用いて,我が国の数学的リテラシーと科学的リテラシーの関連性の特徴を明らかにする.そのために,10 ヵ国の54,790 名の科学的リテラシー53 項目と数学的リテラシー84 項目を分析対象とし,数学的リテラシーの2 つの側面である「数学的な内容」と「数学が用いられる状況」に着目した.その結果,日本では,「変化と関係」が最も科学的リテラシーと関連するが,この特徴は,必ずしも国際的なものとはいえないことが分かった.国際的な傾向を踏まえると,科学的リテラシーと数学的リテラシーの関連性には,「変化と関係」に加えて,数量的な関係に関する「量」という側面にも目を向けるべきと考えられる.また,「数学が用いられる状況」については,「科学的」が10 ヵ国全てで最も科学的リテラシーと関連する結果を得た.そのため,より抽象的・理論的な文脈が科学的リテラシーと数学的リテラシーより関連付けると考えられる.

  • 橋本 美彦
    セッションID: 1
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/11/27
    会議録・要旨集 フリー

    本研究は,理数教師の教科間連携の必要性を明らかにするために行った.理科「密度」の授業実践と意識調査の結果から,算数・数学科と理科の学習では単位の指導に違いがあることが明らかになった。例えば,算数科「単位量あたりの大きさ」の学習では,車の燃費を比較するとき,「1Lあたり○km走る」と解答し,「○km」が単位になる.しかし,理科「密度」の学習では,「1cm3当たり○g」を「○g/cm3」という単位で表す.小学校算数科の学習で,単位(燃費○km/L,人口密度人/km2,収穫高○t/haなど)や比較の指導を行った.この教科・教師間の連携により,子どもに両教科内容の関連意識やリンゴが水に浮く理由と密度との関係の理解が深まり,子どもの問題解決能力を高める効果があることが認められた.

  • 久保 良宏, 安藤 秀俊
    セッションID: 1
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/11/27
    会議録・要旨集 フリー

    本稿は,中学校の数学と理科との関係をグラフ表現に着目して検討するものである.数学における関数のグラフの指導は,式表現との関係から系統的になされるが,理科における化学などの指導では,実験値などから経験や感覚にも目を向けて2変量の変化を解釈させる場面がある.社会的文脈におけるグラフ表現の解釈では,後者のような指導が重要であると考えた.この点を踏まえ,本稿では薬(医薬品)の効果や特徴についてのグラフ表現から,グラフのイメージ的解釈も含めて,理数教育におけるグラフ表現の学習場面について提案する.

  • 金児 正史
    セッションID: 1
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/11/27
    会議録・要旨集 フリー

    理数探究や理数探究基礎につながる,物理と数学を総合する学習素材として,高校物理の単振り子の等時性公式の導出過程に着目した。そこでは,単振り子の糸の振れの角θ が微小の場合に,sinθ≒θ となることを活用している。これでは,振れ幅が目視できないほどの場合で成り立つ等時性公式である。しかし実際にはθ が1ラジアン(rad)程度までは単振り子の等時性は維持されることがわかっている。筆者はこれまでに,このことに着目した理数探究等の学習指導として,θ が微小の場合とそうでない場合を発表したが,いずれも数学的考察に重きをおいたものだった。本発表ではθ が微小の場合に限定し,物理の教科書から大きく逸脱せずに,数学的な考察を加える学習指導を発表する。

  • 三宅 志穂, 高岡 素子, 大貫 麻美
    セッションID: 1
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/11/27
    会議録・要旨集 フリー

    動物園の展示デザインは,時代背景における動物の見方を反映して,顕著に変遷してきている。良識ある市民育成の教育的観点として環境倫理が着目される現代社会において,動物園展示から人々はどのような科学リテラシー的メッセージを受け取ることができるのであろうか。国内外の動物園を訪問調査して,展示に反映される環境倫理トピックと科学リテラシー的メッセージを探った。調査から,環境トピックとして,絶滅危惧,ランドスケープ,生息地と生態系,人間活動の影響,消費とリサイクルの5つを抽出した。これらのトピックを通して,環境問題の現在・過去・未来を人々に伝え,科学リテラシーの本質に迫る「現状,理由,予測」の説明を考えたり意識できるメッセージが展開されていることが分かった。

  • 高岡 素子, 三宅 志穂
    セッションID: 1
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/11/27
    会議録・要旨集 フリー

    近年、動物園が科学教育に対し大きな役割を果たしていることが注目されている。本研究では、プラハ動物園(チェコ)を事例とし、SNSの一つであるFacebookの活用の視点から、動物園における科学教育的機能の可能性について考察した。その結果、動物園と利用者同士がSNS上で活発に交流、さらに利用者によって投稿がシェアされることで、動物園発信の情報が多くの人に拡散されていることが認められた。2020年においてはコロナウィルス拡散防止のために世界中の動物園が一時的に閉鎖された。今回、プラハ動物園の閉鎖期間のFacebookの活用についても解析した結果、動物園は閉鎖時もさらに活発な情報発信を継続し、閉鎖前よりも多く利用者がその情報に関心を示し、利用者間の活発な交流や情報拡散が認められた。このような非常事態においても動物園は科学教育的機能を果たし、SNSは利用者たちのコミュニケーションを行うためのチャネルとして活用されていた。

  • 藤井 浩樹
    セッションID: 1
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/11/27
    会議録・要旨集 フリー

    ドイツのハノーファー動物園における生物多様性教育の取り組みについて報告した.欧州において教育・保全指標の値は平均的な動物園であるが,動物園学校を設置し,バラエティーに富んだ学校向け教育プログラムを提供している.野生動物の保護を中心とした生物多様性保全の内容が多数見られること,最近ではESDの視点から生物多様性保全を扱っていること,学校の教育課程との関係を重視していることなど,注目すべき点は多い.

  • 三好 美織
    セッションID: 1
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/11/27
    会議録・要旨集 フリー

    本研究は,生物多様性教育を効果的に実現するための要件の検討に向けて知見の蓄積を図るため,北欧の動物園,フィンランド・ヘルシンキ動物園とエストニア・タリン動物園の教育活動の事例を分析し,生物多様性教育の実情を明らかにした.両園ともに,絶滅が危惧される動物の保護と生物多様性の保全に向けて教育活動が展開されていること,生物多様性保全に向けた動物園の持つ専門的知見に学校教育の段階から触れることのできる機会を提供していること,生物多様性の保全に向けた人々の具体的行動につなげるための取組みを行っていること,などが明らかとなった.

  • 大貫 麻美, 三好 美織, 三宅 志穂
    セッションID: 1
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/11/27
    会議録・要旨集 フリー

    新型コロナウイルスCOVID-19による疾患の世界的流行は,世界中で人々の行動に大きな変化をもたらした. その背景下,国内外の動物園や水族館も第二次世界大戦後において前例のない苦難に直面した。本研究では,動物園や水族館に足を運んだ来園者が,飼育動物を直接観察したり,園内リソースを活用したりして学ぶという様式での教育活動を実践できないという状況下において,国内外の動物園や水族館が発信している情報を調べた. その結果,国内外の動物園・水族館協会がCOVID-19に言及しながら,来園せずにICTを活用して利用可能な教育リソースについてとりまとめていること,日本国内でも複数のSNS,ライブカメラ映像等が活用可能な教材として示されていることがわかった.

  • 安野 史子
    セッションID: 1
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/11/27
    会議録・要旨集 フリー

    本研究は,CBTの特性を活かした教科・科目ベースの問題を試作し,CBTで測れる能力を明確にしていくことを主目的として継続的に実施してきている.問題提示は電子媒体であるが,解答は2017年までは解答用紙を用いた筆記型解答方式のみ,2018年からは解答形式が選択肢式と短答式の設問について,オンライン解答入力システムを試作し,タブレット端末に解答を直接入力する方式も試みている.特に,短答式については手書き文字・数式認識入力システムを組込み,パイロット調査を経て,2019年に高校生を対象にしたモニター調査を実施した.本稿では,モニター調査の実施結果を踏まえ,開発したシステムの検討を行う.

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