抄録
本稿では,人類生存のために市民一人ひとりが備えておく必要のある科学的素養としての「科学的リテラシー」育成という観点から,わが国における総合科学技術教育の実現化ヘ向けた望ましい方策について考察した。まず,科学技術教育における総合化の世界的動向を探るとともに,科学・技術と生活・社会をつなぐ学校理科という点から,わが国の学校理科の問題点と次期教育課程改訂ヘ向けての課題について論じた。次に,総合科学技術教育の実現可能な方向として,教科・科目間の枠を越えたクロスカリキュラム的視点に立った方策を提案した。