日本科学教育学会研究会研究報告
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一般研究発表:B会場
教員養成段階における自然科学教育 : カリキュラム改善に向けての一つの提言
橋本 健夫
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1996 年 11 巻 1 号 p. 63-68

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抄録
学校教育は,一つの転換期を迎えようとしている。これを受ける形で,小学校から高等学校に至る学校教育段階を中心として,制度的或いは内容的な見直しが,文部省から発表されてきている。しかし,それを成功させるためにはどのような教員が必要なのかという検討は,未だ十分になされない状況であり,学校教育の将来を担う教員像が具体的に描かれる事態にはなっていない。この事態を改善するために,教員養成段階における理科に関するカリキュラムと授業形態の検討を行った。まず,問題点の拡散を避けるために,大学における教育者と被教育者が,互いをどのように捉え合っているかという調査を行った。その結果,かなりの観点において彼等の認識に差があることがわかった。また,学生による授業評価の結果からは,学生が大学教員に対して全面的な信頼を寄せていないことも明らかになった。次に,理科の教員養成カリキュラムについては,理科を取り巻く状況や学校教育の現状,或いは学生の能力などの観点から検討を加えた。ぞの結果,将来の社会における理科の意義を再検討し,基本となるものを明らかにした上で,カリキュラム改善を行う必要性を感じた。
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© 1996 一般社団法人 日本科学教育学会
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