抄録
大学、教員養成学部における安全教育には、一般論として (1) 災害に対処するため、(2) 学生が教諭になった時、児童・生徒の安全を確保するため、そして科学教育に関して学生が (3) 講義、演習、観察・実験の履修のため、 (4) 教諭になった時、児童・生徒に観察・実験を指導できるため、のものがある。本報告では主に、化学系実験教育について (3) と (4) をまとめる。学生が実験を実体験できるならば、それに勝るものはないが、教員養成学部はスタッフ、スペース、予算、ともに学生数に較べて少ない。多数の学生への化学実験実施で安全教育を行うことは困難なので、講義の中で簡単な安全実験教育を試みた。