日本科学教育学会研究会研究報告
Online ISSN : 1882-4684
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一般研究発表
中学校数学における証明の機能の活用に関する研究 : 発見の機能に焦点をあてて
宮崎 樹夫伊藤 秀雄勝野 学北澤 嘉孝黒沢 浩二佐々木 英明
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1998 年 12 巻 6 号 p. 1-6

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抄録

学校数学において証明に確かな位置を与え続けるには, 証明の機能が一層活かされる必要がある。特に, 本研究では, 発見の機能に焦点を当て, 発見の機能が活用可能な状況において, 生徒は, どのように活動するかについてケーススタディを行った。その結果, 次の結論を導出した。実験の協力者の生徒達は, 発見の機能が活用可能な状況において, 次の活動を行った;証明に内在する発見の機能に着目し, それを活用しようとした/循環論に陥った/何を前提として使ってよいかに迷った/ 証明不能な状況に対して, 推測の変更と例外の排除で対処した。この結論を導くために, 次のように考察を進めた。1章では, 発見の機能に焦点を当てる理由について述べ, 2章では, 本研究の目的とその達成に取り組む意義について述べた。3章では, 数学及び学校数学における証明の機能のうち, 特に発見の機能について説明し, 発見の機能が活用可能な状況を作るために本研究で行った工夫について述べた。4章では, 実験の方法について述べた。5章では, 中学2年の生徒4名による活動のうち, 本研究の課題に関する部分を記述・考察した。6章では, 本研究の結論・結論の意義・今後の課題を述べた。

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© 1998 一般社団法人 日本科学教育学会
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