1998 年 12 巻 6 号 p. 13-18
小学生の理科学習における話し合い活動の実態を、実際に授業場面に入り調査を行った。その結果、「理科の得意な子」-「理科の苦手な子」などの関係でお互いの経験をやりとりするといった話し合い活動において最も重要な機能が果たされていないなどの問題点が明らかになった。こうした問題を改善する方略を探るため、話し合い活動を活性化させるように指導計画をした実験群と従来型の話し合い活動を行う対照群との授業を行い、会話分析及び認知面と情緒面の変容を比較分析した。その結果、話し合い活動を活性化させるコミュニケーション能力が学習者の認知面や情緒面に良い影響を与えることが明らかになった。また、先の問題を改善するための有効なコミュニケーションスキルが抽出された。