日本科学教育学会研究会研究報告
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【一般研究発表】
高等教育におけるユビキタス型リメディアル教材の開発 : 高校生の学習環境の分析から
加納 寛子寺島 信義
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2004 年 18 巻 5 号 p. 43-48

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抄録
高等学校において生徒の学びたいことと学びの方法の特徴を調べたところ,進学クラスに所属する生徒は,自ら考えて理解する経験を持ち,一人でこつこつと学ぶ習慣を持ち,学ぶおもしろさを知るものも4割ほどおり,英数国理社の基礎教養科目を学ぶことを希望しており,高校入学の目的が学業であった。一方,職業クラスに所属する生徒は,自ら考えて理解する経験も一人で学ぶ経験を持つ者が少なく,英数国理社の基礎教養科目よりも,就職に有利に働く資格取得を目的としていた。そして,職業クラスに所属する生徒は,漠然とした英数国理社の基礎教養科目の学習にはリタイアしている場合が多く,出身校によって,履修してきたカリキュラムは千差万別であり,一斉講義形式のリメディアル教育には限界があるように思われる。そこで,大学のキャンパス以外でも,いつでもどこでも自分の学習状況を把握し,講義を受講する前に必要な内容を補うことができるユビキタス型リメディアル教材の開発を行った。これにより,どのようなカリキュラムの高校で学んだ学生も,一定レベルの学力を身につけることが期待できる。
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© 2004 一般社団法人 日本科学教育学会
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