日本科学教育学会研究会研究報告
Online ISSN : 1882-4684
ISSN-L : 1882-4684
自由研究発表
高校生と大学生の合同野外調査における教育効果
渡辺 守
著者情報
研究報告書・技術報告書 フリー

1987 年 2 巻 3 号 p. 43-46

詳細
抄録
水田地帯に生息するアカネ属数種の調査を、高校生と大学生が合同で行ったところ、双方にいくつかの教育効果を得た。合同調査中、高校生は心配と責任感の入り交じった状況におかれ、一方、大学生は共通して「高校生の前なので真面目にやらねばいけない」という意識に支配されていた。合同調査前、高校生は非日常的な体験を前にしての戸惑いを事前の準備で解消したのに対して、大学生側は単なる日常的な大学実習程度の気持ちしか持たなかった。しかし、合同調査終了後、高校生は学校生活において積極的になり、以前にもまして実行力を持つようになった。一方、大学生はこの実習の意義を理解し、野外調査へ強い関心を持つようになった。
著者関連情報
© 1987 一般社団法人 日本科学教育学会
前の記事 次の記事
feedback
Top