日本科学教育学会研究会研究報告
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研究発表会
メタ認知を促す方略の研究 : 「総合的な学習の時間」における問題解決過程に着目して
古賀 智子
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2005 年 20 巻 1 号 p. 9-14

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抄録

本研究は, 「総合的な学習の時間」において, メタ認知を促すと想定する方略が, メタ認知的知識の向上へ効果的かどうかを検証することと, 児童本来が持つメタ認知的経験を解析することを目的する。まず, メタ認知的知識測定質問紙を作成し, 本研究の処遇であるメタ認知を促す振り返り活動を組み入れた実践授業を, 小学5年生を対象に行った結果, 処遇は, メタ認知的知識の向上に効果的であるが, メタ認知能力の高低によって効果に差があることが明らかとなった。次に, メタ認知的経験の認知過程を捉えるため, 同じく小学5年生の学習過程の会話をプロトコル分析した結果, メタ認知的経験が見出され, 課題修正や方法修正には課題・方法・自己評価が関わる傾向があり, グループによってモニタリング発話は異なる可能性も見出された。

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© 2005 一般社団法人 日本科学教育学会
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