抄録
科学・技術が高度に発達した社会において、(a)環境問題等の解決手段として、(b)知的探求活動として、市民の科学・技術にかかわる問題の調査・研究能力を高めてゆくこと(エンパワーメント)が大きな意味を持つ。我々は、神戸大学大学院総合人間科学研究科に設置された発達支援インスティテュート/ヒューマン・コミュニティ創成研究センターの研究プロジェクトとして「市民科学に対する大学の支援に関する実践的研究」の取り組みを始めた。本プロジェクトは、神戸を主なフィールドとして、幅広い年齢や素養をもつ市民が、大学の支援のもとに、科学リテラシーを高めるとともに、自らが調査・研究能力を獲得してゆく持続可能なシステムとそれを担う組織、人材のあり方を実践的に探り、日本の社会に適したモデルを構築することを目指す。