2007 年 22 巻 4 号 p. 15-20
学校で学ぶ算数・数学が日常生活でどのように活用されているのか、自分の将来の職業にどのように役立つのかといったことが具体的にイメージすることができないため、学ぶ意欲がわかないという子どもが多くいることが近年言われるようになり,算数・数学を日常生活の問題解決に利用する力を重視するといった傾向が近年見られるようになった。 数学は,現実場面では金融計算,統計,シミュレーション,物理などの他教科など,幅広く利用されている。しかし,現実に扱われる数値には,計算が非常に困難なものが多く存在し,数学の授業で扱う問題としては不都合が生じるケースが多い。 そこで,コンピュータの利用により,手計算では扱えないような数の世界を子ども達に体感させようと考えた。本研究では,表計算ソフトである Excel を利用して,そのような日常生活にかかわる数学を体感させることを目指す教材を開発していき,手計算では味わえないような数学の世界に触れることができるものを作成することができた。