「富澤手法」は,技術・家庭科(技術分野)の教科書を量的に分析するために開発された手法であるが,「分析作業マニュアル」の完成度が低く,分析者ごとの測定誤差が生じやすい。上野は「分析作業マニュアル」に改良を加え,分析者ごとの測定結果の差異を減じつつ,測定精度を高める研究を進めてきた。この量的分析手法の汎用性を確認するため,「富澤・上野手法」が理科教科書にも転用可能であるか否かについて,サンプリングによる検証を行った。その結果,①技術・家庭科(技術分野)の教科書を対象として設定した基準を理科教科書にもほぼ転用できる②教科特性に配慮した微修正を 行うことで,測定の誤差を一定範囲に収束させることが十分に可能である,との成果が得られた。