抄録
PISA2006 などの各種の調査において,日本の生徒は科学的リテラシーに関して必ずしも良好な結果とは言えないことが明らかになった.本研究では,調べ学習等を取り入れた教授方法が科学的リテラシー育成に有効なのではないかと考え,その効果を明らかにすることを目的とした.結果は,初めに教師から意思決定に必要な知識や考え方に関する情報提供を行い,それをもとに,生徒が各自の課題を設定して調査し,レポートにまとめるという一連の学習を行うことが,科学的リテラシーにおける3領域に有効であることが示唆された.