2007 年 24 巻 1 号 p. 11-14
近年、温室効果ガス増加による地球温暖化防止のため、カーボンニュートラルの観点からバイオマスを用いたエネルギーが注目されている。また、今年度から前倒し施行された学習指導要領では環境教育の一層の充実とともに学習内容が自分たちの生活と結びつく実感を伴った理解が強調されている。このような背景の下、本研究では岩手県の特産であるリンゴを用いた効率的なエタノール合成および教材への応用を視野に入れた研究を行っている。品種や酵母ごとでの検討の結果、糖度の高いリンゴほどエタノールの生成量が多く、酸度の高いリンゴほどエタノールの生成量が抑制される傾向が見られた。今後はサンフジについて、時間ごとでの生成量の変化や精製条件のさらなる検討を行う予定である。また、12 月上旬に授業実践を行い、生徒たちの環境・エネルギーへの意識の変化を調査する予定である。