抄録
科学史教育は2006年よりの「博物館法の改正」の流れにより2008年に着目されたが、この改正は現在頓挫している。科学史教育は、飼育・栽培や工作等の活動とは関連しにくいが、応用科学諸領域や歴史学、哲学等にも関連しており、複数領域をつなぐ教育・研究領域であると言える。そこでは、総論的・各論的資料は少なくなってきているが、トピックス的資料等は豊富である。佐賀大学での生物学史教育の実践例から、教養を広めつつ単位を取得したいとの受講者がいるが、担当者の数は減少しており、内容項目の精選が必要であり、受講者の生物学に関しての予備知識等に問題があると言える。