抄録
2008 年度に独立行政法人科学技術振興機構(JST)の「地域ネットワーク支援事業」で採択となった「ふくしまサイエンスぷらっとフォーム(spff)」事業は,福島大学が中心となり,県内の科学館・博物館,公設試験研究機関等をコアメンバーとして科学普及活動の企画方法や異なる分野・業種間の連携,そして県内における科学普及活動の場を新たに設定したり,新たな手法を開発して科学普及活動のすそ野の拡大も目指して活動している.また本事業では,単に年に数回の大型のイベントを開催するだけの単発型の連携や,一方に負担だけを強いる連携でなく,本事業に参加している各施設が日常業務の中で企画立案や,実験工作等の開発や技術指導等において気軽に協力できる体制づくりを目指している.そこで生じた課題や,大学がコーディネーターをつとめる意義にふれ,本事業における連携スタイルが「ふくしま」の特徴を表す活動であり,地域の科学教育の底上げを担っている点などを紹介する.