2010 年 25 巻 2 号 p. 99-102
これまでの受け身姿勢の学習形態からの脱却を図り,自らの行動を想起し実際に何かを行うというような自己制御的に学習するためには,自らの学習を振り返り(把握し),学習の進捗状況を調整することが必要となる。そこで本研究では,理科授業場面において子ども自身が必要な情報を吟味して検討できるように学習支援の手立てを改善し,粒子概念の形成過程における学習の進捗状況の把握と調整の様態について精査することを試みた。授業実践に先立って実施した意識調査から,調査対象の半数以上の子どもは,授業の中で学習課題やこれまで習ったことを思い出したり,関連付けて考えたりすることを意識していることが明らかとなった。しかし,多くの子どもが自分の勉強のやり方について自信を持っていないことも同時に明らかとなった。