日本科学教育学会研究会研究報告
Online ISSN : 1882-4684
ISSN-L : 1882-4684
発表
中学校理科におけるジェロントロジー教育
~中学校 2 分野「刺激と反応」から~
久保田 善彦井上 育美
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2018 年 25 巻 5 号 p. 13-16

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抄録
ジェロントロジーとは,高齢者の増加で生じる問題を解決していくための加齢(aging)と高齢者(aged)の複合的研究分野である。本研究は,ジェロントロジー教育を理科学習の中で取り扱った。特に,生物学的な加齢変化を題材に,大学生を対象とした試行授業を行った。中学校理科の 2 分野「刺激と反応」の単元から視力について取り上げ,(1)理科学習の有用感を向上させること,(2)目の作りと働きの理解を深めること,(3)高齢者理解をすること,以上 3 つのねらいを立て授業を行った。その結果,以下が明らかになった。理科の授業で学習した内容がどのように自分に関わっているのかを認識できたことで,理科を学習する動機付けとなることが明らかになった。また,正常な目の状態を学習した上に,老眼や白内障などの目の学習を行うことで,目の働きが更に理解できた。更に,加齢変化によって引き起こされる目の病気を学習することで高齢者への理解も深まることが分かった。
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© 2018 一般社団法人 日本科学教育学会
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