抄録
新潟県における理数系教員(CST)養成拠点構築事業の特徴は, 県内 12 地区の理科教育センターを CST 活動拠点として充実・支援すること,CST 養成プログラムの現職教員履修者の多くは修了後に各地区理科教育センター担当 CST となること,学生履修者の多くは理工系学部卒業後に小学校教員免許取得をめざす大学院生であること等である。この特徴ある取り組みは,新潟県教育委員会が広大な県土における理科教育振興に不可欠と守り育ててきた地区理科教育センターの存在と,上越教育大学が大学院での高度な教員養成を指向し他大学卒業生が大学院で教員免許取得ができるよう制度(免許取得プログラム)を整備したこと,そして,県教育委員会と上越教育大学とが長年連携して教員養成と現職教員再教育に取り組んできた信頼関係により初めて可能となったものである。CST 養成プログラムでは,県立教育センター理科長期派遣研修のノウハウも取り入れ,堅実な CST 養成体制の構築をめざしている。