抄録
本研究の目的は,マンガというメディアを用いたケースメソッド教材において,小学校現職教員24名のコマの気づきと教材の意図を比較し検討を行うことである.分析の結果,コマには有意に気づくものと有意に気づかないものがあることがわかった.また,気づきの特徴としては,児童実験中に起こる問題に対しては気づく傾向にあるが,実験道具の事前準備や間接的な授業環境の整備に関しては,ほとんど気づいていないことがわかった.さらに,授業に意味のない気づきをした下位理解群がほぼいなかったことから,現職教員は授業中に発生する問題に対して有意味な対応ができることが読み取れた.