2018 年 29 巻 1 号 p. 41-44
複式学級の理科授業のあり方を提案することを視野に入れつつ、5 年「動物の誕生」6 年「人体のつくりと働き」を事例として、小学校複式学級における学年別理科授業の指導過程の構成とその背景にある教師の指導観、学習の実際を探った。そこでは、教師は、指導過程の構成では、学年別指導での学指導過程の構成、間接指導時の児童の思考や活動状況の把握、間接指導時の学習方法に重点を置いている一方で、それが実践上の課題と感じていた。2 連続授業では、教師の指導観を反映して、一学年で探究プロセスを重点的に扱う指導過程が構成されることがあった。そのような授業で児童は、間接指導でも観察・実験の段階を進めることができていたが、結果や考察の段階では、教師の支援が受けられる直接指導を必要としていた。