2014 年 29 巻 2 号 p. 99-102
岩手県の雫石町,盛岡市上空には,日中に南北に伸びる定常状態の雲があり,「北岩手波状雲」と名称される局地気象現象がある.高橋2012の 「学校気象台」ライヴカメラによる観察から,波状雲があるということ,山本(2013)による数値シミュレーションから,上昇気流と下降気流の交互に起こる山岳波が確認された.この研究から、日中には波状雲は出ていることも確認されたが,夜間にはどうなっているのかという疑問を持った.本研究では,高橋(2012),山本(2013)と同様に 2011 年 12月 13日のデータを用いてこの現象を,雲解像モデルCReSS を用いた数値シミュレーションで再現し,「北岩手波状雲」日変化を調査する.24 時間出力を行い動画にした結果,夜間に波状雲ができていないことが確認することができた.また,今後の課題として,秋田側からの山脈越えの風の強さに影響されているのかということを調べていきたい.