昭和 43(1968)年度版小学校学習指導要領の基で編集された 1971 年度版の教科書以降、1983 年度版、1996 年度版、2005 年度版、2011 年度版の各小学校理科教科書に記述されている問いかけ(疑問文)を分析したところ、近年の小学校理科の傾向としては、全体的に「どんな」「どのように」というhow型疑問が多く用いられており、これを内容領域別に見ていくと、「エネルギー」「粒子」領域では「はい・いいえ」形式の回答を求めるwhat型疑問が、「生命」「地球」領域では「どんな」「どのように」といったhow型疑問が、それぞれ多く用いられていることが判明した。また、近年における小学校理科教科書の疑問の傾向は、小学校学習指導要領の変遷に伴って推移してきたことが確認されるとともに、その傾向には 2014 年度現在の教員養成系学部生の実態からのある種の乖離が認められた。