2015 年 30 巻 6 号 p. 47-50
本研究は,ラーニング・プログレッションズ(以下,LPs)を活用することにより,生徒の学習到達度を多次元的に評価する方略を開発することを目的とする。本稿では,評価方略を開発する上で活用する LPs から抽出できる観点である「概念の多次元性」について示し,LPs を概念理解度の基準として作成された多肢選択式による評価方略の一事例を示した。また,多肢選択式の課題の中に自由記述式の回答欄を追加することにより,学習到達度をより多次元的に評価するという具体的な方略を提案した。なお,本稿で提案する評価方略を実施することにより,概念の理解度についての量的な検討が可能となる点も,その意義の 1 つであるといえる。