抄録
岩手県雫石町の盆地は,晩春と晩秋に霧が発生しやすい.その構造や発生原因を解明するために,本研究室,石森・名越(2016)によりドローンを用いた気象観測が行われている.霧が発生している状態,発生していない状態で観測結果から鉛直方向の温度分布の違いがわかった.本研究では,そのドローンにより観測された結果を理論的に解明することにした.その方法として,名古屋大学で開発された雲解像モデル CReSS (Cloud Resolving Storm Simulator) という数値シミュレーションソフトを用いる.霧層内で実際に観測された鉛直温度分布と似た温度分布を再現することができた.今後,数値シミュレーションの設定を変え,より正確な再現を行っていきたい.