2016 年 31 巻 3 号 p. 41-44
本研究の目的は、ICT を活用した理科教育の在り方に関する基礎的知見を得るため、デジタル教科書の機能を分析し、これからの学習指導を展望した。教科書分析では、小学校6 年生の理科を事例として取り上げ機能を分析した。これまでの議論からICT を活用した教育において想定される学習場面として、まず、距離や時間を問わず思考の過程・結果の可視化することが可能であるという「思考の可視化」や、多くの人の考えなどを距離と問わずに瞬時に共有することが可能であるという「瞬時の共有化」が挙げられる。そして、何度も試行錯誤・チャレンジが可能であるという「試行の繰り返し」があることを確認した。ICT 教材の特長を前提とした想定されている学習場面とされた3 つの観点からデジタル教科書の機能と構成について考察した。