日本科学教育学会研究会研究報告
Online ISSN : 1882-4684
ISSN-L : 1882-4684
発表
科学的根拠をもとに説明できる生徒を育てる STEM 教育
-中学校理科「生命を維持する働き」の学習を通して-
野村 恵伍山下 修一
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2016 年 31 巻 5 号 p. 19-24

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抄録
本研究では,血液循環を扱う理科授業の中で,STEM の観点を取り入れ,生徒が科学的に根拠を基に,生命維持を科学的な見方で説明できる授業開発を行うことを目標とした。開発した授業前後に調査を行い,生徒の考え方の変容を探った。その結果,血栓症の発生原因とそれに伴う影響については,授業前後で統計的に有意な差が見られた。人工心臓弁開発についての自由記述では,語句の出現回数は,事前では「感動」や「かわいそう」といった感情を表す語句が多く見られたが,事後では「機械」「開発」という語が名詞全体の上位に入るなど工学の視点についての言及が見られた。語句のつながりを共起ネットワークで分析したところ,「開発-心臓」に強い共起性が見られ,STEM 教育の観点からも開発した本授業に一定の効果があることが明らかになった。
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© 2016 一般社団法人 日本科学教育学会
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