日本科学教育学会研究会研究報告
Online ISSN : 1882-4684
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発表
高校化学におけるリモネンを用いた実験条件の検討
山本 祥子島田 秀昭
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2017 年 32 巻 2 号 p. 19-22

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抄録

高等学校化学では,高分子化合物の性質と利用について学習する。本単元の項目の一つである「高分子化合物と人間生活」の中で扱う実験として,発泡ポリスチレンの溶解が取り上げられている。教科書や参考書における発泡ポリスチレンの溶解実験には,主に市販のリモネンを用いた方法と柑橘類の果皮を用いた方法が紹介されている。しかし,市販のリモネンは比較的高価であることから学校現場での使用は難しいと思われる。また,柑橘類の果皮を用いた実験では,リモネンの存在を視覚的に確認することはできず,発泡ポリスチレンの溶解量も少ないため,生徒が実感を伴って実験を行うことは困難であると思われる。そこで本研究では,リモネンを用いた発泡ポリスチレンの溶解実験について,柑橘類の果皮から水蒸気蒸留を用いてリモネンを抽出し,生徒が実感を伴って発泡ポリスチレンの溶解を確認できるような実験条件について検討した。

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© 2017 一般社団法人 日本科学教育学会
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