2017 年 32 巻 2 号 p. 27-30
走行型ロボットを用いて小学校で実施されたプログラミング教育において児童21 名が描画したフローチャートを分析した。その結果,順次型処理に関わる記述が約80%の児童に認められる課題でも,繰返し型処理に関わる記述は70%程度に留まることが分かった。さらに,選択型処理における条件を記述できた場合でも,条件に応じた処理(はい,いいえ)に関わる記述は曖昧になる傾向が見られ,繰返し型処理と選択型処理をつなぐループ処理の理解には課題があることが示唆された。プログラミングに関わる論理的な思考を外化させるために,フローチャートの有用性が確認できた。一方で,Scratch などのビジュアルプログラミングで利用される命令ブロックの組み合わせとフローチャートの書式とを併用して学ぶ際の課題も示唆された。