2018 年 32 巻 8 号 p. 11-14
本研究は, 天然由来の抗酸化物質を含有する研究素材として, アオダモ(Fraxinus lanuginosa)に着目し, 天然物化学研究の観点からアオダモ樹皮における抗酸化成分を探索し, エスクレチン (1) 及びその配糖体エスクリン (2) を単離すると共に, それらの分子構造を核磁 気共鳴スペクトル, 赤外吸収スペクトル及び質量分析スペクトルにより同定した。また, 1, 1-ジフェニル-2-ピクリルヒドラジルラジカル消去反応による抗酸化活性において, 単離したエスクレチン (1) 及びエスクリン (2) が比較的強い抗酸化活性を有する事を明らかにした。