日本科学教育学会研究会研究報告
Online ISSN : 1882-4684
ISSN-L : 1882-4684
発表
高知県産ショウガの研究と理科教材化
蒲生 啓司中城 満楠瀬 弘哲
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2019 年 33 巻 5 号 p. 61-64

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抄録

本研究では,高知県産ショウガ(9種)の花や根茎の大きさの植物分類学的品種評価と共に,含有成分のgingerol類,shogaol類及びgalanolactoneに着目し,LC/MS法を用いたそれらの詳細な定量分析による品種評価法を見出した.それによって,含有成分のgingerol関連化合物は全てのショウガに比較的多量に含まれており,galanolactone含有量は品種ごとに違いがあることが判明した.従って含有微量成分であるgalanolactoneの測定が,ショウガの品種評価を行う際に重要な役割を果たすことが示唆された.また,ショウガ成分の新たな生理活性を見出すことを目的として,ショウガ搾汁やショウガ粉末等のショウガ加工品のコラゲナーゼ阻害活性を検討し,それらの肌老化防止用素材としての可能性を追究した.更に,脂質代謝促進活性を有するショウガ中の化学成分の探索を追究し,RT-PCR法を用いた脂質代謝促進活性遺伝子の発現量の定量を行うことで,品種評価と生理活性との関連を見出した.これらのショウガに関する化学的研究成果を基に,学校教育における学習教材研究の検討と探究学習に向けた自由研究の指導・支援の検討を行った.

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© 2019 一般社団法人 日本科学教育学会
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