2019 年 33 巻 7 号 p. 53-58
本研究は,安部・松本・松本(2019)における児童の実験計画の能力の向上のための指導方法を,実験計画に関わる文献で得られた知見をもとに考察することが目的であった.先行研究より,学習者自身が思考する場面の後に教師が教示を行う指導を組み合わせることで,学習者の理解が深まる効果が期待されることが複数の論文において指摘されていることが明らかになった.学習者が実験を計画する指導はしばしば行き詰まりにつながるが,学習者の実験計画場面の後に教師の教示場面を設定する指導方略によってそのような行き詰まりの解消が期待される.