2019 年 33 巻 8 号 p. 51-54
平成29年に告示された学習指導要領において,生命を柱とする領域では「共通性・多様性」の視点で捉えることと整理された.また,主体的・対話的深い学びの実現も求められ,この視点で捉えるための教材開発の必要があると考えられる.そこで本研究では,子どもたちにとってどのような生物が広く認識されているかを明らかにした.調査の方法として,親しみのある生物・身近な生物・好きな動物は何かという質問紙調査を小学生を対象に行った.調査の結果,どの設問でも「イヌ」と「ネコ」が40%を超える選択率を示した.1%以上の回答を集めた生物(動物)を比較したところ,哺乳類は比較的多く回答を集めていたが,「身近な生物」において回答が多かった魚類・昆虫類は,「好きな動物」においてほとんど回答されなかった.また「身近な生物」として選択された生物は,児童にとって,生活圏内で見ることのできる生物があげられ,「親しみのある生物」は,「身近な生物」と「好きな動物」の回答で集まった種の回答がよく見られた.