2019 年 34 巻 3 号 p. 275-280
本研究は,Society5.0に向けた科学技術イノベーションを担う人材育成に寄与するとともに,交通安全教育の充実を視野に入れた新たな取り組みの一環として,バーチャル環境における制作活動を試みることとした.そこで,ゲームエンジンを用いたバーチャル環境における交通安全施設の設置を通した制作活動を実践し,さらに,学習者の実社会における交通安全に対する思考や行動と本実践との関わりについて明らかにすることを目的とした.発話記録の結果から,受講者は実社会における生活や歩行者の行動をイメージし,交通安全施設を設置したことが示唆された.さらに,1ヶ月後の自由記述の結果から,バーチャル環境における制作活動を通した交通安全教育が,実社会における思考や行動に影響を及ぼした可能性が示唆された.