2020 年 34 巻 5 号 p. 45-48
次期学習指導要領では,「探究」や「教科横断」といった視点からの教育活動が求められている.これらの要請に適った新たな授業のあり方を探るため,筆者らは,世界探究パラダイムに基づいたStudy and Research Paths (SRP) という理論的枠組みを採用し,授業実践を進めている.SRPとは,研究者の活動をモデルにした学習形態であり,問いに答えるために,使えるものは何でも使い,必要なものは必要に応じて学習しながら探究を進めるといったものである.本研究では,SRPをよりどころに,日常の「待ち」を題材とした数学科と情報科の教科横断型探究を新たに設計し,高等学校情報科の中で実践した.本稿では,今回の実践で収集したデータの分析によりどのような学習が生じていたのか示し,教科横断型探究の可能性について検討する.