2020 年 34 巻 5 号 p. 49-52
本研究では,複数の昆虫標本を用いた学習支援の検討とジグソー学習法の導入を行った.透明ケースに昆虫の乾燥標本を入れた教材を児童一人に一体ずつ配布し,学びの効果を検証した.授業における説明シートを分析した結果,トンボ目とカメムシ目,ハチ目の昆虫を選んだ児童では,昆虫の体のしくみに関する問いへの正答率が非常に高かったことから,児童が昆虫の体のしくみを理解するにあたって本教材が有効であることが示された.また観察する昆虫の種類が異なると,問いに対する正答率や説明シートに使用している語句が異なっていたことから,児童に提示する昆虫の種類によって児童の学びの内容が異なることが示された.