生活科の学習における,思考力,判断力,表現力等の育成にあたっては,幼児期の教育,低学年の各教科等,中学年以降の学習とのつながりを踏まえた学びの展開が想定されている.本研究では,これらのつながりについて,科学の視点から生活科の教科書の内容を含むいわゆる朱書書を対象として調査・整理した.その結果,幼児期の領域「環境」の数量・図形および低学年の教科算数とのつながりでは,「数と計算」「測定」を中心に,観察の観点として取り上げられる傾向が確認され,数学的な見方へとつながることが示された.領域「環境」の科学につながる内容および中学年以降の学習である理科とのつながりでは,生活科の学習を通して幼児期から児童前期の素朴な気付きが,思考された気付きや認識的な気付きへと高まり,ものの「理」を紐解いて視る力である理科の見方・考え方へとつながっていくことが示された.