海に関わる環境問題はSDGsにも掲げられているグローバルな課題であるが,近年の若年層を中心とした海離れは将来の環境意識の低下につながると懸念されている.海の豊かさを守るためには,日本に限らず,多くの国々で海への関心と理解を深める環境教育が求められている.本研究では,多くの国々で海への関心と理解を深める環境教育を目指し,日本とフィリピンの教育関係者の協働による海洋環境教育教材の開発を試みた.多くの国々での活用を想定して,フィリピンの教育関係者が考案した「海の植物のつくり」「海の生き物カード」「海洋環境イメージ画」などの手作り理科教材を日本の小・中学校の現職教員が評価することで,問題点を洗い出した.本研究で得られた知見は海洋リテラシーを育む世界共通の海洋環境教育教材の開発に向けて大いに役立つことが期待される.