本研究は,教育番組の視聴と並行して「ものづくり」を通した問題解決の活動をおこなうことで,「学校で学んだ知識・技能」を活用しながらTinkering(意味のある試行錯誤)につながることを示すものである.通常の教育活動では「専門家からのヒント」を得ることは難しい場合が多いが,教育番組の活用によって「専門家からのヒント」を活用しながらTinkeringにつなげることが期待できる.そこで,番組の視聴に実践を伴わせた場合の効果を調べるために,実際に4つの小学校(東京都内2校および北海道内2校)に2回の番組を視聴してもらい,各回の前後にアンケートを実施した.テキストマイニングによる対応分析の出力を分析したところ,理論と実践の組合わせにより,番組が意図したねらい(音の仕組みの理解)につながったと推察された.