日本科学教育学会研究会研究報告
Online ISSN : 1882-4684
ISSN-L : 1882-4684
〔一般研究発表〕
化学者および化学の法則、歴史的実験等に関するデータベース化とその活用
竹中 洵治石原 敏秀安藤 雅夫稲葉 一森 幸雄
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1991 年 6 巻 2 号 p. 83-86

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抄録

近年、高校生の理科離れが進んでいるといわれている。これは化学においても例外ではない。この理由として次のことが考えられる。学習者が高等学校の化学の学習内容を理解するのに困難であること。学習内容に興味・関心がもてないこと。従来のように一斉授業のもと、教材として教科書だけで学習を進めていては、生徒の化学離れをくい止めることは難しい。学習者一人一人にあった多様な教材、学習法、学習進度で学習させるのが望ましい。また、高等学校においては平成6年度から新教育課程になり、このような個を大切にした学習が一層望まれている。例えば、課題実験がとり入れられているとか、コンピュータを活用するとか、多様な評価を考えるとかがそれにあたる。教材に関していえば、教科書が主体になる。現在の教科書はおおむね精選に精選が重ねられて結果だけが記述されているのがほとんどである。学習の効率化からみると大変よいが、学習者の興味・関心の面からみるとまことに味気ない。このことを補うために、化学者、化学史、化学の歴史的実験、化学の法則、失敗の過程、化学の思想等、従来教科書で軽く扱われているか全然扱われていないものを教材化する。これらの教材を収集し、データベース化し、学習者が活用しやすいようにハイパーカードを利用して開発作成した。

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© 1991 一般社団法人 日本科学教育学会
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